先日、秋田市内のホテルに泊まった際、朝食には秋田の食材や郷土料理が並んでいました。 あきたこまちやいぶりがっこ、稲庭うどんといった有名どころはもちろん、だまこ汁のような、どこか懐かしい味わいの汁物もありました。


その中で、久しぶりに食べたのがじゅんさいです。口に入れた瞬間に感じる、つるりとした舌触り。噛むとぷるっとした食感があり、するりと食べられて、おいしくいただきました。
昔から食卓の一品としてよく食べてきたじゅんさいですが、実は高級食材として扱われていると知ったのは、大人になってから。
それくらい、秋田では日常の食卓に馴染んだ食材なんです。

じゅんさいは、淡水の沼や池に育つ水草の一種。水面の下に伸びる新芽や若い葉は、透明なゼリー状のぬめりに包まれていて、その部分を摘み取って食べます。
秋田県三種町は国内でも有数の産地で、今も小舟に乗り、水面をのぞき込みながら一つひとつ手で摘み取られています。収穫の時期は5月から8月。今はちょうど、生のじゅんさいを楽しめる季節です。

高級食材として扱われることもあるじゅんさい。地域によっては目にする機会が少なく、まだ馴染みのない食材かもしれません。 一方、秋田ではスーパーでもよく見かけ、普段の食卓にも並ぶ身近な味です。特別な日のためだけではなく、普段の食事に添える一品として、昔から親しまれています。
お吸い物や酢の物にするのが定番ですが、秋田では鶏肉やごぼうなどと一緒に、じゅんさい鍋にして食べる地域もあります。冷たい料理でも温かい料理でも、じゅんさいならではの食感を楽しめます。その日の献立や気分に合わせて、さまざまな食べ方ができるのも魅力です。
秋田も、これから蒸し暑い日が続きます。
そんな時期には、つるりと食べられるじゅんさいがぴったりです。
秋田を訪れる機会があれば、宿の朝食や飲食店、スーパーなどで、ぜひ探してみてください。見つけたときは、旬を迎えた秋田の夏の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
